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トップリーグカップ戦 総合順位決定トーナメント1回戦コラム『残すはカップ戦1つ。最終戦をいかに戦うがが未来への指針となるはず』
80分を告げるブザーの後、スクラムから出た相手ボールを奪いながらも、パスミスから再度相手にボールを渡してしまい、最後はなんとかボールキャリアをタッチに押し出してノーサイドの笛。その結果は7対38。完敗である。
奪われたトライは5。日野はトライをひとつ返したとはいえ、それは相手のキャッチミスからボールを拾って生まれたもので、決してチームで取りたかった形ではない。
相手はコカ・コーラレッドスパークス。トップリーグの順位決定戦では勝利している相手であり、来年度はトップリーグから降格することが決まっているチームだ。
「これでシーズンは終われないだろう。これで終わったら、ただ(トップリーグに)残っただけになる」
試合直後、グランド脇でまだ汗の引ききらぬ選手たちを前に、細谷監督は厳しい口調で言った。
「原因を考えよう。俺たちはこんなチームじゃないはずだ」
試合の入りは良かったのだ。マイボールキックオフから相手が取ったボールをLO5番の笠原雄太がタックル、4番・木村勇大の激しいオーバーからターンオーバー。その後、前に出ながら敵陣で連続攻撃をしかけた。最後はスローフォワードからチャンスを失うも、ブレイクダウンも優勢だったと言えた。キックを主に陣地を稼ぐ相手のアタックに対しても、ディフェンスで奮闘。開始5分。日野がノットロールアウェイの反則を犯し、PKからゴール前ラインアウトに持ち込まれモール、ラックと攻め込まれるも最後はこの日ゲームキャプテンを務めたNO8ニリ・ラトゥが相手からノットリリースザボールの反則を奪いピンチを脱出。その後も自陣ゴール前でじわじわ攻められながらも、FW、BK全員が身体を張りながら止め続け、最後はFB小川優輔とWTB鄭演植が二人がかりでボールキャリアを倒し、相手のシーリングオフの反則を誘った。
が、そのディフェンスが崩れたのは15分。相手が深く蹴り込んできたボールをFB小川がフェアキャッチ。いったん落ち着いて蹴り返したボールを、相手SOがショートパントで蹴り返したところで相手に押し込まれ、あっという間に出てきたボールを相手SHが受けてパスダミーからディフェンスラインのできていないギャップをついて30メートル近くを走り、インゴールに飛び込んだのだ。その後も38分に同SHがスクラムサイドをつき、またしてもパスダミーから一気にトライ。ほんの一瞬の油断なのか、相手がうますぎるのか。前半終了時点で0対14となる。
「この試合に向けての準備はよくできていたと思います。試合の入りもよかった。ラグビーですから取られることもある。でも、チャンスを得点につなげられなかった。良いモールもできていたんですけどね。そこが個々の経験の差でまだチームになっていない、一貫性がないということなんでしょうが」
FWコーチの箕内拓郎が悔しさを滲ませる。
これまで長くキャプテンを務めながらHOとしてチームの最前線に立ち、この日もリザーブとして後半に入った16番・廣川三鶴が言う。
「スクラムは組み直しが多かったですが、決して負けていたとは思いません。でも、相手ボールでお互いが崩れてしまったら、相手ボールの反則になってしまうことは多い。他にもちょっとしたミスがあったとき、受けに回ってしまっては勝てないですよね……」
スクラムの判定にははたから見てはわからない難しさがある。が、一度笛が吹かれた限り、それが覆ることはない。それがラグビーだ。
この日、公式戦4度目の出場となった韓国代表でもある14番・鄭演植(チョン・ヨンシク)は、後半10分に反則からシンビン(10分間の一時的退出)となってしまう。もちろん、故意に反則をするつもりなどなかったのだろう。が、まだ経験の少ない日本での試合では理解不足もある。
「タックルしたら相手がノックオンしたのでボールをプレーしたのですが、寝たままプレーしてしまったのでハンドだと言われました」
日本ではほとんど無名ながらも、そのスピードと激しいディフェンスにはチームからの期待も大きい。が、誰であれ、ちょっとしたミスから試合の流れを変えてしまうことがある。実際、鄭の反則によってPGの3点を献上、14人で戦っている間のには、スクラムからWTBのいないスペースにボールを運ばれて簡単にトライも奪われた。
この日のゲームキャプテン、ニリ・ラトゥは母国トンガのキャプテンとしてWCにも参加している、きわめて経験の豊富なプレーヤーである。
「今日の結果は暗い気持ちになる。でも、このチームは常に未来に向かってコーチと共に進んでいます。ネガティブになる必要はない。ラグビーは、失敗をしながら学んでいくことが大切。若い選手は失敗するもの。失敗をポジティブに考えて学んでいけば良い。これからチームはまだまだ強くなるチームなんだから」
カップ戦の順位決定戦。この日敗戦を喫した日野は、いよいよ最後の一戦を戦うことになる。実質的にはカップ戦の“最下位決定戦”だ。相手は、同じくこの日ホンダヒートに負けたサニックスブルース。そう、日野がトップリーグの記念すべき緒戦で勝利した相手であり、リーグ戦の順位決定でロスタイムのラストワンプレーで悪夢の逆転負けを喫したチームでもある。そして日野と同じく今年度のトップリーグの入替え戦を制し、来年度同じトップリーグで戦うチームなのだ。
今年度トップリーグに初めて挑んだ日野レッドドルフィンズ。そのシーズン最後はどのような戦いを見せてくれるのか? それは、これからの日野の未来を示してくれる試合になるはずだ。
細谷直監督 悔しい敗戦です。まだ、チーム内でも上と下の選手には差がある。試合の入りは良かったのですが、その後はディフェンスが悪くなりアタックも続かない。これで終わったらただ来シーズンのトップリーグに残っただけのチームになってしまいます。出場した選手たちも納得していないはずなので、最後の1試合のための準備をしっかりとしたいと思います。
ニリ・ラトゥ ゲームキャプテン 私たちはこんなチームではなかったはずです。この結果は、コーチ陣やファンの皆さんをがっかりさせただけ。でも、私たちには来週もう一度チャンスがあります。チームは、経験を重ねることで強くなるのです。そのためには学ぶことが大切。このチームの未来に向けて、今日の敗戦を次に活かしていきたいです。
奪われたトライは5。日野はトライをひとつ返したとはいえ、それは相手のキャッチミスからボールを拾って生まれたもので、決してチームで取りたかった形ではない。
相手はコカ・コーラレッドスパークス。トップリーグの順位決定戦では勝利している相手であり、来年度はトップリーグから降格することが決まっているチームだ。
「これでシーズンは終われないだろう。これで終わったら、ただ(トップリーグに)残っただけになる」
試合直後、グランド脇でまだ汗の引ききらぬ選手たちを前に、細谷監督は厳しい口調で言った。
「原因を考えよう。俺たちはこんなチームじゃないはずだ」
試合の入りは良かったのだ。マイボールキックオフから相手が取ったボールをLO5番の笠原雄太がタックル、4番・木村勇大の激しいオーバーからターンオーバー。その後、前に出ながら敵陣で連続攻撃をしかけた。最後はスローフォワードからチャンスを失うも、ブレイクダウンも優勢だったと言えた。キックを主に陣地を稼ぐ相手のアタックに対しても、ディフェンスで奮闘。開始5分。日野がノットロールアウェイの反則を犯し、PKからゴール前ラインアウトに持ち込まれモール、ラックと攻め込まれるも最後はこの日ゲームキャプテンを務めたNO8ニリ・ラトゥが相手からノットリリースザボールの反則を奪いピンチを脱出。その後も自陣ゴール前でじわじわ攻められながらも、FW、BK全員が身体を張りながら止め続け、最後はFB小川優輔とWTB鄭演植が二人がかりでボールキャリアを倒し、相手のシーリングオフの反則を誘った。
が、そのディフェンスが崩れたのは15分。相手が深く蹴り込んできたボールをFB小川がフェアキャッチ。いったん落ち着いて蹴り返したボールを、相手SOがショートパントで蹴り返したところで相手に押し込まれ、あっという間に出てきたボールを相手SHが受けてパスダミーからディフェンスラインのできていないギャップをついて30メートル近くを走り、インゴールに飛び込んだのだ。その後も38分に同SHがスクラムサイドをつき、またしてもパスダミーから一気にトライ。ほんの一瞬の油断なのか、相手がうますぎるのか。前半終了時点で0対14となる。
「この試合に向けての準備はよくできていたと思います。試合の入りもよかった。ラグビーですから取られることもある。でも、チャンスを得点につなげられなかった。良いモールもできていたんですけどね。そこが個々の経験の差でまだチームになっていない、一貫性がないということなんでしょうが」
FWコーチの箕内拓郎が悔しさを滲ませる。
これまで長くキャプテンを務めながらHOとしてチームの最前線に立ち、この日もリザーブとして後半に入った16番・廣川三鶴が言う。
「スクラムは組み直しが多かったですが、決して負けていたとは思いません。でも、相手ボールでお互いが崩れてしまったら、相手ボールの反則になってしまうことは多い。他にもちょっとしたミスがあったとき、受けに回ってしまっては勝てないですよね……」
スクラムの判定にははたから見てはわからない難しさがある。が、一度笛が吹かれた限り、それが覆ることはない。それがラグビーだ。
この日、公式戦4度目の出場となった韓国代表でもある14番・鄭演植(チョン・ヨンシク)は、後半10分に反則からシンビン(10分間の一時的退出)となってしまう。もちろん、故意に反則をするつもりなどなかったのだろう。が、まだ経験の少ない日本での試合では理解不足もある。
「タックルしたら相手がノックオンしたのでボールをプレーしたのですが、寝たままプレーしてしまったのでハンドだと言われました」
日本ではほとんど無名ながらも、そのスピードと激しいディフェンスにはチームからの期待も大きい。が、誰であれ、ちょっとしたミスから試合の流れを変えてしまうことがある。実際、鄭の反則によってPGの3点を献上、14人で戦っている間のには、スクラムからWTBのいないスペースにボールを運ばれて簡単にトライも奪われた。
この日のゲームキャプテン、ニリ・ラトゥは母国トンガのキャプテンとしてWCにも参加している、きわめて経験の豊富なプレーヤーである。
「今日の結果は暗い気持ちになる。でも、このチームは常に未来に向かってコーチと共に進んでいます。ネガティブになる必要はない。ラグビーは、失敗をしながら学んでいくことが大切。若い選手は失敗するもの。失敗をポジティブに考えて学んでいけば良い。これからチームはまだまだ強くなるチームなんだから」
カップ戦の順位決定戦。この日敗戦を喫した日野は、いよいよ最後の一戦を戦うことになる。実質的にはカップ戦の“最下位決定戦”だ。相手は、同じくこの日ホンダヒートに負けたサニックスブルース。そう、日野がトップリーグの記念すべき緒戦で勝利した相手であり、リーグ戦の順位決定でロスタイムのラストワンプレーで悪夢の逆転負けを喫したチームでもある。そして日野と同じく今年度のトップリーグの入替え戦を制し、来年度同じトップリーグで戦うチームなのだ。
今年度トップリーグに初めて挑んだ日野レッドドルフィンズ。そのシーズン最後はどのような戦いを見せてくれるのか? それは、これからの日野の未来を示してくれる試合になるはずだ。
細谷直監督 悔しい敗戦です。まだ、チーム内でも上と下の選手には差がある。試合の入りは良かったのですが、その後はディフェンスが悪くなりアタックも続かない。これで終わったらただ来シーズンのトップリーグに残っただけのチームになってしまいます。出場した選手たちも納得していないはずなので、最後の1試合のための準備をしっかりとしたいと思います。
ニリ・ラトゥ ゲームキャプテン 私たちはこんなチームではなかったはずです。この結果は、コーチ陣やファンの皆さんをがっかりさせただけ。でも、私たちには来週もう一度チャンスがあります。チームは、経験を重ねることで強くなるのです。そのためには学ぶことが大切。このチームの未来に向けて、今日の敗戦を次に活かしていきたいです。