『圧力下の精度の差。でも攻めの形は見えた』
プレッシャー下でのプレーの精度の差だった。でも、日野レッドドルフィンズはパナソニックに対し、よくファイトした。随所に一点集中、攻めの形は垣間見えた。
惜しかったのは、前半20分過ぎだった。日野は左ラインアウトから攻め、ベテランロックの北川が前に出る。ラックから、SHの闘将プルが右ライン側へ、オープンキックを蹴った。絶妙だった。
決め事だったのだろう、他の日野選手が即座に反応した。相手ゴールライン直前。長身のWTBペニーが右ライン際でジャンプ一番、右手でボールを内にはたいた。これをFBカカがワンバウンドでキャッチ、そのまま右中間に押さえた。ナイス、トライ!
いや、トライに映った。だが、新井レフリーはTMO(テレビ・マッチ・オフィシャル)によるビデオ判定を求めた。結果、ペニーのプレーはノックオンとされ、トライは消えた。相手ボールのスクラムに。不可解だったのは、直前の相手ペナルティーによるアドバンテージまで帳消しにされたことだった。
FWはこの日も結束して前に前に出た。相手のフロントロー陣3人はいずれも2019年ラグビーワールドカップ代表。その強力布陣に対し、日野のベテラン久富、いぶし銀の郷、新加入のファンダーウエストハイゼンのFW第一列が互角に渡り合った。
ラインアウトは不安定だったが、前半35分、相手ゴール前5メートルの左ラインアウトでロック北川がうまく相手に競り勝った。そのまま、強固なモールをつくり、左回り気味にぐりぐり押し込んでいった。最後はフランカーのアッシュがインゴールでボールを押さえた。トライで、5-12と追い上げた。
悔しいけれど、パナソニックには才能豊かな選手が並ぶ。とくにSOのファンタジスタ山沢に、前にイッキに出るディフェンスラインの裏にキックを蹴られ、再三、ピンチを招いた。キックオフ直後に失ったトライも、勝負どころの後半開始直後の失トライも山沢の巧みなパントキックからだった。
加えて、後半14分、16分の連続の失トライは、山沢のキックを絡めた個人技から奪われたものだった。
日野の意地のトライは後半32分だった。敵陣の左ラインアウト。SOの位置にいたプルがまたまた烈しく前に突進。ラック。途中から交代で入ったSH橋本がラックの左サイドを突いて、トライした。地味ながら、トップリーグ初出場の1年目、CTB川井のプルのサポートプレーは効果的だった。
結局、トライは相手が9つ、日野は2つ。ただ日野が敵陣に攻め込んだシーンは何度もあった。でも、肝心なブレイクダウンで好球が出ない。ターンオーバーされる。あるいはボールを離さないノット・リリース・ザ・ボールの反則をとられた。これは、らだった。
チームは勝てないけれど、課題は少しずつ改善されている。例えば、規律だ。相手へのPKは7個(パナソニックは5個)、初戦(12個)から減った。とくにラインオフサイドはゼロだった。
勝負事だもの、勝つのは難しい。でも、成長することはできる。次こそは。そう願わずにはいられない。
【HC、主将コメント】
箕内拓郎ヘッドコーチ
やはり細かい部分の差が大きいと感じました。プレッシャーがかかった中での、プレーを遂行するスキル、細かいところの意識で、うちの選手には(相手と)まだまだ差があるなと感じました。
ただ、まだ課題は多いんですけど、規律の部分ではしっかり改善されたのかな、と思います。
タフな試合が続きますけど、前を向いて、チーム一丸となって次のゲームに向かっていきたい。
オーガスティン・プル共同主将
前半はしっかり互角の勝負ができていたんですが、後半に入って、なかなか勢いに乗れなかった。
パナソニックは、やはり試合の中でここぞというチャンスの時に(トライを)取り切るギア、そこの部分が想定よりすごかった。
自分たちも、次のレベルに上がれるよう、ディフェンスをさらに磨いて、継続して努力していかないといけない。
(Text by 松瀬学)
惜しかったのは、前半20分過ぎだった。日野は左ラインアウトから攻め、ベテランロックの北川が前に出る。ラックから、SHの闘将プルが右ライン側へ、オープンキックを蹴った。絶妙だった。
決め事だったのだろう、他の日野選手が即座に反応した。相手ゴールライン直前。長身のWTBペニーが右ライン際でジャンプ一番、右手でボールを内にはたいた。これをFBカカがワンバウンドでキャッチ、そのまま右中間に押さえた。ナイス、トライ!
いや、トライに映った。だが、新井レフリーはTMO(テレビ・マッチ・オフィシャル)によるビデオ判定を求めた。結果、ペニーのプレーはノックオンとされ、トライは消えた。相手ボールのスクラムに。不可解だったのは、直前の相手ペナルティーによるアドバンテージまで帳消しにされたことだった。
FWはこの日も結束して前に前に出た。相手のフロントロー陣3人はいずれも2019年ラグビーワールドカップ代表。その強力布陣に対し、日野のベテラン久富、いぶし銀の郷、新加入のファンダーウエストハイゼンのFW第一列が互角に渡り合った。
ラインアウトは不安定だったが、前半35分、相手ゴール前5メートルの左ラインアウトでロック北川がうまく相手に競り勝った。そのまま、強固なモールをつくり、左回り気味にぐりぐり押し込んでいった。最後はフランカーのアッシュがインゴールでボールを押さえた。トライで、5-12と追い上げた。
悔しいけれど、パナソニックには才能豊かな選手が並ぶ。とくにSOのファンタジスタ山沢に、前にイッキに出るディフェンスラインの裏にキックを蹴られ、再三、ピンチを招いた。キックオフ直後に失ったトライも、勝負どころの後半開始直後の失トライも山沢の巧みなパントキックからだった。
加えて、後半14分、16分の連続の失トライは、山沢のキックを絡めた個人技から奪われたものだった。
日野の意地のトライは後半32分だった。敵陣の左ラインアウト。SOの位置にいたプルがまたまた烈しく前に突進。ラック。途中から交代で入ったSH橋本がラックの左サイドを突いて、トライした。地味ながら、トップリーグ初出場の1年目、CTB川井のプルのサポートプレーは効果的だった。
結局、トライは相手が9つ、日野は2つ。ただ日野が敵陣に攻め込んだシーンは何度もあった。でも、肝心なブレイクダウンで好球が出ない。ターンオーバーされる。あるいはボールを離さないノット・リリース・ザ・ボールの反則をとられた。これは、らだった。
チームは勝てないけれど、課題は少しずつ改善されている。例えば、規律だ。相手へのPKは7個(パナソニックは5個)、初戦(12個)から減った。とくにラインオフサイドはゼロだった。
勝負事だもの、勝つのは難しい。でも、成長することはできる。次こそは。そう願わずにはいられない。
【HC、主将コメント】
箕内拓郎ヘッドコーチ
やはり細かい部分の差が大きいと感じました。プレッシャーがかかった中での、プレーを遂行するスキル、細かいところの意識で、うちの選手には(相手と)まだまだ差があるなと感じました。
ただ、まだ課題は多いんですけど、規律の部分ではしっかり改善されたのかな、と思います。
タフな試合が続きますけど、前を向いて、チーム一丸となって次のゲームに向かっていきたい。
オーガスティン・プル共同主将
前半はしっかり互角の勝負ができていたんですが、後半に入って、なかなか勢いに乗れなかった。
パナソニックは、やはり試合の中でここぞというチャンスの時に(トライを)取り切るギア、そこの部分が想定よりすごかった。
自分たちも、次のレベルに上がれるよう、ディフェンスをさらに磨いて、継続して努力していかないといけない。
(Text by 松瀬学)