『チャレンジとソフトモーメント、あぁ開幕3連敗』
サクラでいえば、まだ2分、3分咲きといったところか。「チャレンジ」と「ソフトモーメント」。成長途上の日野レッドドルフィンズの良し悪しが見てとれた。
我々は挑戦者だ。2018年シーズンの王者、神戸製鋼に対し、風上の日野は序盤からポジティブに攻めていった。ラグビーの鉄則、「前で」接点がつくれればリズムが生まれる。前半3分、ラインアウトからの順目のラックを連取し、ラックの右サイドを突いたSHオーガスティン・プルが右中間に飛び込んだ。
お~。先制トライ! かと思った。でも、ビデオ判定に持ち込まれ、フランカー李淳也のオブストラクションの反則をとられて、トライは帳消しとなった。そんな殺生な。
それでもシャープな日野のアタックはつづく。中央30㍍地点でペナルティーを得ても、ペナルティーゴールを狙わず、スクラムを選択した。が、ハイタックルなどの反則で流れを失う。ディフェンスのラインスピードの速さを突かれ、前半12分、ライン裏にキックを蹴られて、トライを奪われた。
日野はスクラムから反撃する。ぐいと結束して押し込めば、相手反則をもらって、タッチキックで右ラインアウト。今季初先発、フッカー木津武士はスローイングがうまい。前半17分。ラインアウトの列のうしろのパーカーアッシュに合わせて、SHプルがクイックでWTBチャンス・ペニーへパス。
チャンスに強いからチャンス・ペニー。ステップでマーカーを外し、最後は日本代表FBの山中亮平をフェイントでかわして、左中間に飛び込んだ。鋭利するどい40㍍のランでトライを返した。7-7。
でも、ソフトモーメントが顔をのぞかす。日本代表でよく言われていた「気が抜ける瞬間」「ふわーとする時間」である。集中力が途切れる。ハンドリングミス、判断ミスがつづく。自陣ピンチのスクラムで相手反則を得ながら、SHプルのタッチキックがラインを割らず、相手に逆襲された。日野のディフェンスラインの裏にキック。セービングミス。神鋼に拾われ、トライを取られてしまった。
ミスをすること自体は悪くない。ミスをしたあとが大事なのだ。タッチキックミスに対し、ディフェンスが緩かった。ほとんど上がっていなかった。蹴られたあとの戻りの鈍さ。つまりリスクマネジメント。ここが課題。
後半開始直後。相手ボールのラインアウトだった。一瞬のスキを突かれ、クイック・スローインから神鋼のWTB山下楽平にライン際を走り切られた。神鋼がソツがないというか、日野が甘いというか。タッチを切ったあと、ボールから目を離すな、とは高校ラグビーでもよく言われることだ。
結局、相手に8トライを献上し、日野は1トライに終わった。日野はチャレンジしながらも、王者に一瞬のスキを何度も突かれた。収穫はスクラム。フロントロー3人が交代しても押し負けなかった。これは大きい。
接点でも負けてはいない。が、脚力の違いはともかく、集中力、プレーの厳しさ、判断のスピード…。またディフェンスの向上も、ライン裏への相手キックに対するバックスリー(両WTB、FB)の対処は課題だ。
タフな相手との3連戦は苦渋の3連敗となった。次のNEC戦で、サクラ満開(初白星)へ。さあ、みんなで、心で歌おう。
トントン、トントン、ヒノの2トン♪
春よ、こい。はやく、こい♪
【HC、主将のコメント】
箕内拓郎ヘッドコーチ
相手は一昨年度のチャンピオンチーム、すべての面でチャンレンジした。ラインアウトは修正できたし、スクラムでは相手にプレッシャーをかけられた。ただ、受けてしまうと、ブレイクダウン、ディフェンスでやられてしまう。(開幕3連敗)非常にタフな試合が財産を生かし、次の試合からは勝利に変えていきたい。
堀江恭佑・共同キャプテン
厳しい試合でしたが、セットプレー(スクラム、ラインアウト)では手ごたえをつかめました。(ブレイクダウンでの反則は)自分たちはアグレッシブにチャレンジしたい気持ちが強かったので、チャレンジした結果、そうなったのかと思います。よくなかったとこしていきたい。来週のNEC戦に向け、しっかり準備していきたいと思います。
(Text By 松瀬学)
我々は挑戦者だ。2018年シーズンの王者、神戸製鋼に対し、風上の日野は序盤からポジティブに攻めていった。ラグビーの鉄則、「前で」接点がつくれればリズムが生まれる。前半3分、ラインアウトからの順目のラックを連取し、ラックの右サイドを突いたSHオーガスティン・プルが右中間に飛び込んだ。
お~。先制トライ! かと思った。でも、ビデオ判定に持ち込まれ、フランカー李淳也のオブストラクションの反則をとられて、トライは帳消しとなった。そんな殺生な。
それでもシャープな日野のアタックはつづく。中央30㍍地点でペナルティーを得ても、ペナルティーゴールを狙わず、スクラムを選択した。が、ハイタックルなどの反則で流れを失う。ディフェンスのラインスピードの速さを突かれ、前半12分、ライン裏にキックを蹴られて、トライを奪われた。
日野はスクラムから反撃する。ぐいと結束して押し込めば、相手反則をもらって、タッチキックで右ラインアウト。今季初先発、フッカー木津武士はスローイングがうまい。前半17分。ラインアウトの列のうしろのパーカーアッシュに合わせて、SHプルがクイックでWTBチャンス・ペニーへパス。
チャンスに強いからチャンス・ペニー。ステップでマーカーを外し、最後は日本代表FBの山中亮平をフェイントでかわして、左中間に飛び込んだ。鋭利するどい40㍍のランでトライを返した。7-7。
でも、ソフトモーメントが顔をのぞかす。日本代表でよく言われていた「気が抜ける瞬間」「ふわーとする時間」である。集中力が途切れる。ハンドリングミス、判断ミスがつづく。自陣ピンチのスクラムで相手反則を得ながら、SHプルのタッチキックがラインを割らず、相手に逆襲された。日野のディフェンスラインの裏にキック。セービングミス。神鋼に拾われ、トライを取られてしまった。
ミスをすること自体は悪くない。ミスをしたあとが大事なのだ。タッチキックミスに対し、ディフェンスが緩かった。ほとんど上がっていなかった。蹴られたあとの戻りの鈍さ。つまりリスクマネジメント。ここが課題。
後半開始直後。相手ボールのラインアウトだった。一瞬のスキを突かれ、クイック・スローインから神鋼のWTB山下楽平にライン際を走り切られた。神鋼がソツがないというか、日野が甘いというか。タッチを切ったあと、ボールから目を離すな、とは高校ラグビーでもよく言われることだ。
結局、相手に8トライを献上し、日野は1トライに終わった。日野はチャレンジしながらも、王者に一瞬のスキを何度も突かれた。収穫はスクラム。フロントロー3人が交代しても押し負けなかった。これは大きい。
接点でも負けてはいない。が、脚力の違いはともかく、集中力、プレーの厳しさ、判断のスピード…。またディフェンスの向上も、ライン裏への相手キックに対するバックスリー(両WTB、FB)の対処は課題だ。
タフな相手との3連戦は苦渋の3連敗となった。次のNEC戦で、サクラ満開(初白星)へ。さあ、みんなで、心で歌おう。
トントン、トントン、ヒノの2トン♪
春よ、こい。はやく、こい♪
【HC、主将のコメント】
箕内拓郎ヘッドコーチ
相手は一昨年度のチャンピオンチーム、すべての面でチャンレンジした。ラインアウトは修正できたし、スクラムでは相手にプレッシャーをかけられた。ただ、受けてしまうと、ブレイクダウン、ディフェンスでやられてしまう。(開幕3連敗)非常にタフな試合が財産を生かし、次の試合からは勝利に変えていきたい。
堀江恭佑・共同キャプテン
厳しい試合でしたが、セットプレー(スクラム、ラインアウト)では手ごたえをつかめました。(ブレイクダウンでの反則は)自分たちはアグレッシブにチャレンジしたい気持ちが強かったので、チャレンジした結果、そうなったのかと思います。よくなかったとこしていきたい。来週のNEC戦に向け、しっかり準備していきたいと思います。
(Text By 松瀬学)