『ああ1点差…。雨中の激闘、日野が2勝目を逃す』
わずか1点差だった。前週に続く雨中戦。日野レッドドルフィンズは好調NTTドコモ相手によくファイトしながらも、2勝目を手にすることはできなかった。
日野はコイントスに勝って、風上の陣地をとった。相手のキックオフをとって、日野のSHオーガスティン・プルがハイパント。これを左右に回され、2019年ラグビーワールドカップで大活躍した南アフリカ代表のWTB、マカゾレ・マピンピにいきなりノーホイッスルトライを奪われた。
でも、奮起する。日野はその後、全員がよく前に出た。とくにディフェンスでは鋭い出足から、相手にプレッシャーをかけ続けた。接点でも優位に立つ。前半11分、ペナルティーキックを敵陣深くのタッチに蹴り出し、ラインアウトでロックのクリンシュナンが前方でナイスキャッチ。ドライビングモールを押し込んで、右隅にナンバー8のニリ・ラトゥが押さえた。ゴールも決まり、7-7とした。
さらに7分後、日野FWが相手ボールのスクラムで圧力をかけた。バックスラインもいいプレッシャーで相手パスミスを誘い、WTB竹澤正祥がそのボールを拾って、そのまま左中間に持ち込んだ。ゴールは失敗。12-7とリードした。
直後の右中間の約20㍍のPGチャンスでも、SOクリップス・ヘイデンが外し、リードを広げることができなった。その後、NTTドコモに1トライを許したが、闘将プルの負傷退場も痛かった。15-12で前半を折り返した。
拮抗した展開が続く。流れは悪くない。後半19分、途中から交代した、今季初出場の日野SO、東郷太郎丸が1PGを加えて、18-12とした。
だが、この後、交代出場のSH古川浩太郎がラック後ろからパントキックを蹴ろうとしたところで、現役のニュージーランド代表SHのTJ・ペレナラに猛チャージを食らった。完全に古川のキックは読まれていた。このチャージされたボールをNTTドコモにタテ、タテとつながれ、後半21分、右隅に逆転トライ(ゴール)を奪われた。18-19。
さすがTJ。敵ながら、アッパレである。運動量、判断スピード、スキルもだが、常に大声を出し、周りとコミュニケーションをとっていた。日本語で「ハヤク、ハヤク」とのFWへの指示も。
だが日野もすかさず反撃する。ここでフロントロー3人を一度に交代。これが当たった。フレッシュなメンバーがスクラムを押し込んで、相手反則のアドバンテージをもらう。スクラムからこぼれたボールをラトゥがうまく前に運び、SO東郷が左足で敵陣ゴールライン前に絶妙なキック。スピード良く走り込んだCTB川井太貴がこれをワンバウンドで獲ってインゴールに飛び込んだ。
東郷が難なくゴールを蹴り込んで、またまた逆転した。25-19。直後のスクラムでも強烈なプッシュで相手のコラプシング(故意に崩す行為)の反則を誘って、敵陣に攻め込んだ。絶好のチャンスだ。でも、ここでのラインアウトを失敗。
後半33分。逆にPKからタッチキックを蹴られ、ラインアウトから連続攻撃を仕掛けられ、ポスト下に決勝トライ(ゴール)をもぎとられた。25-26と逆転された。
日野はあきらめない。マイボールのスクラムでまたもコラプシングの反則を奪い、PKをタッチに蹴り出した。ここで試合終了のホーンが鳴る。
ラストワンプレーだ。ラインアウトからラックサイドを突いて12フェーズ(局面)を重ねたが、最後は仕掛けたSO東郷がボールを奪回され、万事休した。残念、無念。
日野は間違いなく、1試合1試合、成長している。とくにディフェンス、接点にその成長の跡がみえた。だが、時折顔をのぞかせるミス、ペナルティー、そして不安定なキック。わずか1点差なれど、勝敗を分ける1点がまた、大きいのだった。
【ヘッドコーチ、主将のコメント】
箕内拓HC
1点差で敗れてしまったわけですが、その1点の重みを感じたわけです。チームとして、いい学びの場になったと思います。その1点をひっくり返すため、また1週間、しっかり準備して、試合に臨んでいきたい。80分間、頑張ってくれた選手たちを誇りに思いま
堀江恭佑共同主将
自分たちとしては先週も雨だったので、戦い方は大きく変わりなく、自分たちのやるべきことを80分間、やり続けました。終わってみれば1点差ですけど、80分間を通して、手応えを感じる場面もありました。ただ後半、ちょっと我慢できないところもあった。たと思います。
(Text By 松瀬学)
日野はコイントスに勝って、風上の陣地をとった。相手のキックオフをとって、日野のSHオーガスティン・プルがハイパント。これを左右に回され、2019年ラグビーワールドカップで大活躍した南アフリカ代表のWTB、マカゾレ・マピンピにいきなりノーホイッスルトライを奪われた。
でも、奮起する。日野はその後、全員がよく前に出た。とくにディフェンスでは鋭い出足から、相手にプレッシャーをかけ続けた。接点でも優位に立つ。前半11分、ペナルティーキックを敵陣深くのタッチに蹴り出し、ラインアウトでロックのクリンシュナンが前方でナイスキャッチ。ドライビングモールを押し込んで、右隅にナンバー8のニリ・ラトゥが押さえた。ゴールも決まり、7-7とした。
さらに7分後、日野FWが相手ボールのスクラムで圧力をかけた。バックスラインもいいプレッシャーで相手パスミスを誘い、WTB竹澤正祥がそのボールを拾って、そのまま左中間に持ち込んだ。ゴールは失敗。12-7とリードした。
直後の右中間の約20㍍のPGチャンスでも、SOクリップス・ヘイデンが外し、リードを広げることができなった。その後、NTTドコモに1トライを許したが、闘将プルの負傷退場も痛かった。15-12で前半を折り返した。
拮抗した展開が続く。流れは悪くない。後半19分、途中から交代した、今季初出場の日野SO、東郷太郎丸が1PGを加えて、18-12とした。
だが、この後、交代出場のSH古川浩太郎がラック後ろからパントキックを蹴ろうとしたところで、現役のニュージーランド代表SHのTJ・ペレナラに猛チャージを食らった。完全に古川のキックは読まれていた。このチャージされたボールをNTTドコモにタテ、タテとつながれ、後半21分、右隅に逆転トライ(ゴール)を奪われた。18-19。
さすがTJ。敵ながら、アッパレである。運動量、判断スピード、スキルもだが、常に大声を出し、周りとコミュニケーションをとっていた。日本語で「ハヤク、ハヤク」とのFWへの指示も。
だが日野もすかさず反撃する。ここでフロントロー3人を一度に交代。これが当たった。フレッシュなメンバーがスクラムを押し込んで、相手反則のアドバンテージをもらう。スクラムからこぼれたボールをラトゥがうまく前に運び、SO東郷が左足で敵陣ゴールライン前に絶妙なキック。スピード良く走り込んだCTB川井太貴がこれをワンバウンドで獲ってインゴールに飛び込んだ。
東郷が難なくゴールを蹴り込んで、またまた逆転した。25-19。直後のスクラムでも強烈なプッシュで相手のコラプシング(故意に崩す行為)の反則を誘って、敵陣に攻め込んだ。絶好のチャンスだ。でも、ここでのラインアウトを失敗。
後半33分。逆にPKからタッチキックを蹴られ、ラインアウトから連続攻撃を仕掛けられ、ポスト下に決勝トライ(ゴール)をもぎとられた。25-26と逆転された。
日野はあきらめない。マイボールのスクラムでまたもコラプシングの反則を奪い、PKをタッチに蹴り出した。ここで試合終了のホーンが鳴る。
ラストワンプレーだ。ラインアウトからラックサイドを突いて12フェーズ(局面)を重ねたが、最後は仕掛けたSO東郷がボールを奪回され、万事休した。残念、無念。
日野は間違いなく、1試合1試合、成長している。とくにディフェンス、接点にその成長の跡がみえた。だが、時折顔をのぞかせるミス、ペナルティー、そして不安定なキック。わずか1点差なれど、勝敗を分ける1点がまた、大きいのだった。
【ヘッドコーチ、主将のコメント】
箕内拓HC
1点差で敗れてしまったわけですが、その1点の重みを感じたわけです。チームとして、いい学びの場になったと思います。その1点をひっくり返すため、また1週間、しっかり準備して、試合に臨んでいきたい。80分間、頑張ってくれた選手たちを誇りに思いま
堀江恭佑共同主将
自分たちとしては先週も雨だったので、戦い方は大きく変わりなく、自分たちのやるべきことを80分間、やり続けました。終わってみれば1点差ですけど、80分間を通して、手応えを感じる場面もありました。ただ後半、ちょっと我慢できないところもあった。たと思います。
(Text By 松瀬学)